練習を頑張っているのにサブ3.5を達成できない。
後半に大失速してしまう。
そんな方にオススメなのが、ペース表を作成することです。
「いかに効率的にレースを進めるか」という戦略が必要です。
事前にペース配分を決めておくことで、戦略的にレースを進めることができます。
ここではあなたがペース表を作成するための方法を解説します。
- サブ3.5を達成したい
- どのように走ればいいかわからない
- 後半に大失速してしまう
ペース表の作成例をあげながら解説していきます。
あなたに適したレースペースがあれば、そのままペース表を使用してください。
ペース配分の重要性
ペース配分の重要性を解説する前に、代表的なペース配分を紹介します。
まずは3つのペース配分について解説します。
- イーブンペース
- ポジティブスプリット
- ネガティブスプリット
イーブンペースとは
イーブンペースとは、スタートからゴールまで一定のペースで走ることを意味します。
1kmあたり4分58秒で走り続けるとサブ3.5を達成することができます。
イーブンペースには次のようなメリットがあります。
- 効率的にエネルギーを使用できる
- 疲労の蓄積を抑えることができる
- メンタルが安定する
イーブンペースで走ることで、ゴールまで一定のパフォーマンスを維持することができます。
ペースの上げ下げが少ないため、体へのダメージを最小限に抑えることが可能です。
予定通りのペースで走ると、メンタルが安定してきます。
終盤はキツくなりますが、落ちてくるランナーを抜いていくことで、安定したメンタルを保つことができるでしょう。
ポジティブスプリットとは
ポジティブスプリットとは、レースの前半を後半より速く走ることを意味します。
多くのランナーがポジティブスプリットだと言われています。
ポジティブスプリットには次のようなメリットがあります。
- 心理的優位性を保てる
- コンディションの活用
前半を速く走ることで、後半のペースが落ちても目標を達成することが可能です。
目標タイムに対して、ある程度の貯金を作ることで心理的に余裕を持たせます。
前半の元気な時に速く走ることで、いいコンディションを活用することができます。
レースでは勝手にペースが上がってしまい、ポジティブスプリットになる人も多くいます。
ポジティブスプリットは大幅に失速する可能性があるため、速すぎるペース設定は危険を伴います。
ネガティブスプリットとは
ネガティブスプリットとはレースの前半より後半を速く走ることを意味します。
経験豊富なアスリートや、自分の体力とペース配分を正確に把握しているランナーに適した戦略とされています。
ネガティブスプリットには次のようなメリットがあります。
- 戦略的な柔軟性
- 疲労の蓄積を抑える
- 心理的なアドバンテージ
体力的に余裕があるため、どのあたりからペースを上げるか調整することが可能です。
自分の体力や目標タイムを考えて、レースの途中でプランを変更することもできます。
前半のペースを抑えるため、疲労を最小限にすることができます。
後半のペースを上げることで、多くのランナーを追い抜くことができます。
落ちてくるランナーを追い抜くことで心理的に余裕が生まれるでしょう。
ただし、ネガティブスプリットにもデメリットがあります。
前半のペースを抑えすぎると、後半にペースを上げても目標タイムに届かない場合があります。
そのため前半のペースには注意が必要です。
ペース配分の考え方
サブ3.5を達成するためには、1kmあたり4分58秒で走る必要があります。
1kmあたり4分58秒で走った時のタイムがこちらになります。
実際のレースでサブ3.5を狙う場合は、スタート地点までのタイムロスを含みます。
さらにスタート後は混雑して、思うように走れないことがほとんどです。
今回はネットタイムでサブ3.5を達成するための方法を考えます。
スタート直後は渋滞する
サブ3.5を狙う場合はスタートブロックが後方になります。
そのためスタート直後は混雑し、思うようなペースで走れません。
ここで無理に追い越すと、体力を消耗してしまいます。
スタート直後は渋滞するものだと考えておくと、余裕を持って走ることができます。
調子が良くなった時こそ注意
10kmほど走っていると、いきなり体が軽くなったような感覚になることがあります。
スタート直後の混雑がなくなり、気持ちのいいペースで走れるようになります。
この時にやってはいけないことがスピードを上げることです。
もともと予定していたペースアップなら問題ありませんが、予想外のペースアップは後半の失速につながります。
調子がいいと感じても、予定通りのペースで走ることをオススメします。
後半はみんなきつい
30km以降は多くのランナーが失速します。これが30kmの壁と言われるものです。
当たり前ですが、30km走って疲れない人はいません。誰でもきついです。
後半きついのは仕方ありませんが、みんなきついと思って乗り越えましょう。
どんなペースで走ってもきついため、後半のきつさは覚悟しておくと良さそうです。
最後にペースを上げるのは至難の技
後半のキツくなった時にペースを上げるのは非常に難しいです。
ゴール前ならペースを上げることが可能かもしれませんが、30km地点からペースアップするのは非常に困難です。
そのため、後半はペースが落ちる前提で考えておくといいかもしれません。
ペース表の作成
理由を解説しながらペース表を作成していきます。
私の考えを文字にしながら作成していきます。
アップダウンや風の影響は考慮しておりません。コースの特徴を捉えてアレンジしてみてください。
イーブンペース
イーブンペースは一定のペースで走ります。
なるべくスピードの上げ下げがないようにペース配分を考えます。
イーブンペースのペース表を作成する際に考えたことは次の3つです。
- 5km以降をイーブンペースで走る
- コースの特徴をを知る
- 後半の失速を考慮する
コース図を見るとアップダウンが存在します。
上りでは少し遅めに、下りでは少し速めのペース設定をしておくといいかもしれません。
ギリギリのペースだと精神的に余裕がないため、少し早めのペース設定を行います。
スタート直後は混雑するため、最初の5kmを5:10/kmペースで計算しています。
イーブンペースで走ると少しだけ余裕があります。
4:50/kmで走ると、かなり余裕を持ったタイム設定になります。
4:50/kmで走った場合、後半は失速してもサブ3.5が狙えます。
失速した際に慌てず対応するため、複数のプランを考えておくことをオススメします。
ポジティブスプリット
ポジティブスプリットは前半を速いペースで走ります。
後半の大失速を避けるためにも、速すぎるペース設定はできません。
どれだけの貯金を作りたいかを考えて、ペース表を作成します。
- リズムに乗ってきたらペースを上げる
- どれくらいの貯金が必要か考える
- 自己ベストからペースを算出する
まずは前半でどれだけの貯金が必要か考えます。
その上で、ムリのないペース設定を行います。
後半の失速を回避するため、ハーフマラソンのタイムを参考にしてください。
ハーフマラソンのタイムがない場合は、長い距離を全力で走った時のタイムを参考にするとよいでしょう。
ハーフマラソンの自己ベストに近いペースで設定すると、後半大失速の可能性が高まります。
今回はハーフマラソンを1時間40分以内で走れる人を想定してペース表を作成します。
スタート直後は混雑するため、最初の5kmを5:10/kmペースで計算しています。
30kmまで粘れる場合は4:45/kmで走ります。
最後は5:20/kmまで落ちても大丈夫な計算となっています。
30kmまで持たない場合は25kmまで4:40/kmで走ります。
最後は5:30/kmで間に合う計算となっています。
スピードタイプの場合はこちらのペースがオススメです。
ネガティブスプリット
ネガティブスプリットでは後半を速いペースで走ります。
前半をゆっくり走りすぎると、後半のペースをかなりあげないといけません。
そのため、前半を遅すぎないペース設定にする必要があります。
- 前半のペースを遅くしすぎない
- 後半にどのくらいのペースで走れるか考える
- どのあたりからペースを上げるか決める
自分が後半どれくらいのペースで走れるかを考える必要があります。
その上で前半のペース設定を行います。
さらに後半のどのあたりでペースを上げるか決めましょう。
以上のことを踏まえてペース表を作成します。
スタート直後は混雑するため、最初の5kmを5:10/kmペースで計算しています。
30kmまでリラックスして走り、最後の12kmを頑張る設定で作成しました。
スタミナに自信のある方はネガティブスプリットがオススメです。
ウルトラマラソンを走っている人や月間走行距離が多い人に適していると考えます。
勇気を出して実践する
ペース配分を決めたのはいいけど、こんなことを思うかもしれません。
- レース本番で走り切れるのか
- ペース設定が適切なのか
これらの質問について言えることは一つだけです。
やってみないとわかりません。
そんな無責任な発言するな!
そう思った方、申し訳ありません。
確実に再現したい場合は、練習でフルマラソンの距離を試してみることをオススメします。
しかし、練習でフルマラソンの距離を走るような方は少ないと思います。
可能であるなら30km走で試してみてください。
その時のあなたの余裕度から、レースペースを考えてみましょう。
本番でダメだった時は、練習を頑張るか、次のプランを考えればいいのです。
実際にレースプランを試してみて、自分の走りにあっているのかどうか考えてみてください。
失敗を恐れて挑戦しないことが、一番もったいないです。
実際に走った経験はあなたに蓄積されます。
ぜひ挑戦してみましょう!
ペーサーがいた場合
もしサブ3.5のペーサーが近くにいた場合について考えます。
ペーサーはグロスでサブ3.5を目指すため、速いペースで走ります。
イーブンペース
ペーサーが速いペースで走っているため、ついていかない方がいいと考えます。
集団を利用して楽に走れる場合はついていくことも可能ですが、後半の失速を念頭に入れておくと良いでしょう。
ポジティブスプリット
ポジティブスプリットの人は積極的についていくことをオススメします。
集団の力を借りて楽に走りましょう。
ネガティブスプリット
自分のペースで走ることをオススメします。
明らかなオーバーペースになるため、集団を見つけても気にしないようにしましょう。
作戦を変更する
サブ3.5の集団を見つけた時は思い切ってついていく作戦もいいと思います。
集団で走ると楽に走れるため、利用しない手はありません。
もしペーサーを見つけた場合のプランを考えておくと、レース中に悩まずに済むかもしれません。
まとめ
ここまでの内容をまとめます。
- あなたに適したペース配分を決める
- コースの特徴を理解し、ペースの微調整をする
- ペーサーがいた場合にどうするか考えておく
サブ3.5を目指すランナーにとって、効率的なペース配分とペース表の作成はとても大切です。
練習から意識的にペース配分を管理することで、レースでも同じようなペースで走ることが可能です。
あなたがサブ3.5を達成する手助けとなれば幸いです。